2013年10月3日木曜日

秀丸の設定:ファイルタイプ別の設定(その1)

テキストエディタ「秀丸」を使って翻訳(執筆)をするときに、これは便利だなという設定や機能を紹介します。

まずは、秀丸を使って翻訳(執筆)をするときに設定しておいた方が良いものをいくつか挙げます。(メニューの[その他]→[ファイルタイプ別の設定]から設定します。)

[体裁]→[詳細]

「カーソル位置の自動復元(最後のカーソル位置を覚える)」

これにチェックをいれておけば、一度ファイルを閉じて、次にファイルを開いたときに、前回カーソルがあったところ(前回翻訳を終えたところ)が表示されます

[デザイン]→[表示]

・「改行文字、タブ文字、全角空白、半角空白を記号で表示」
これらはWordでも表示するようにしておいた方が良いと思います。(Wordの[ファイル]→[オプション]→[表示]→「常に画面表示する編集記号」で表示したいものにチェックを入れる。)

・「対応する括弧を強調表示」
これを設定しておくと、括弧の直前にカーソルを置いたときに、対応する一組(前後)の括弧が太く強調されます。対応する括弧が無い場合は強調表示されませんので、括弧の閉じ忘れ(入力し忘れ)に気付くことができます。複雑な分子式や組成式を扱うときに役立ちます。

・「最後に編集した所を表示」
秀丸マクロ:最後に編集した位置へコピーするマクロ」を使う場合には、表示させておいた方が良いです。


[デザイン]→[強調表示]


翻訳をする場合、数字の転記ミスは絶対に避けなければならないので、数字は目立たせておいた方が良いと思います。また、逆に、目立たないようにしたいものもあります。ここでは、それらの設定方法を紹介します。


強調表示の設定の仕方は、
①「強調表示一覧」の右側の「追加」をクリックする。

②「文字列」の部分に、下に紹介する文字列を入力する。
③「検索方法」で必要な項目にチェックを入れる(今回紹介するものはすべて正規表現を使っているので、「正規表現」に必ずチェックを入れてください)。
④「表示方法」で強調の仕方を選ぶ。(どのように強調するかは、別のところで変更できます。後記。)
  • 数字を目立たせる
文字列:[0-90-9]
(前の方の0と9は半角、後ろの方の0と9は全角です。ハイフンは半角。)
検索方法:「正規表現」にチェックを入れる。
[その他]→[ファイルタイプ別の設定]→[デザイン]の「場所の一覧」で「数値」にチェックを入れた場合、全角の数字英字に直接続く半角数字 (C6H12O6などに含まれる数字)は強調されないので、私はこのように強調表示で設定をしています。
  • 書式設定タグを目立たせる
文字列:<[a-z/]+>
(すべて半角)
検索方法:「正規表現」にチェックを入れる。

SimplyTerms(ST)特有の書式設定タグは、転記し忘れないように、青色+太字で目立つようにしています。
  • 段落タグを目立たせる(目立たないようにする)
文字列:\[\[[A-Z\-0-9]+\]\]
(すべて半角。バックスラッシュで表示されているものがあったら、円マークと読み替えてください。)
検索方法:「大文字/小文字の区別」と「正規表現」にチェックを入れる。

ST特有の段落タグは「英大文字+ハイフン(-)+半角数字」でできているので、この正規表現で段落タグを探し、目立たないように薄い色で表示するように設定しています。
***************************************************
強調表示の色やスタイルを変えたいときは、[その他]→[ファイルタイプ別の設定]→[デザイン]の「場所の一覧」で変更したい強調表示を選択し、右の「プロパティ」で色やスタイルを好みのものに変更します。目立たせたいときは、濃い色にしてボールドや下線等を設定し、逆に目立たせたくないときは、薄い色を設定すれば良いと思います。


2013年8月2日金曜日

秀丸マクロ:書式設定用タグ入力マクロ

前回、括弧を挿入するマクロを紹介しましたが、今回はSimplyTerms(ST)の書式設定用タグを挿入するマクロを紹介します。

普通、秀丸等のテキストエディタでは太字や斜体字、上付き文字、下付き文字などの文字修飾は使えません。しかし、STを使えば、Officeファイルに元々あったこれらの文字修飾(書式)の情報を保持したままテキストを抽出し、秀丸で翻訳後、Officeファイルに書き戻すと同時に自動で書式を設定することができます(「SimplyTerms:書式が設定された文章を扱う」参照)。

このとき、書式情報を保持するために使われているのが、下の「書式設定用タグ」です。
上付き文字:<sup>対象文字</sup>
下付き文字:<sub>対象文字</sub>
太字:    <b>対象文字</b>
斜体字:   <i>対象文字</i>
下線:    <u>対象文字</u>
※「書式タグ」はすべて半角の英字。
これらのタグを簡単に入力(挿入)するためのマクロが「Ins_FormatTags.mac」です。

使い方は、前回紹介した括弧挿入マクロのなかの「Ins_Parens.mac」と同じで、とても簡単です。
マクロを実行すると、メニューが出るので、入力したいタグを選びます。また、範囲選択の有無でマクロの動作が違います。
  • 単語(またはフレーズ)を選択している場合
選択範囲の前後にタグを挿入します。
  • 何も選択していない場合
カーソル位置にタグを入力し、前のタグと後ろのタグの間にカーソルを置きます。
このマクロのメニューでは、上に挙げた「書式設定用タグ」の他に、以下の
段落内改行:<lbr>
改ページ:<pbr>
マルC(©):<ch>(C)</ch>
マルR(®):<ch>(R)</ch>
TM(™):<ch>(TM)</ch>
も選ぶことができます。これらを入力したいときは、入力したい箇所にカーソルを置き、何も選択しないで、マクロを実行します。

2013年7月17日水曜日

秀丸マクロ:括弧挿入マクロ

今回紹介するSimplyTerms(ST)同梱マクロは、丸括弧やカギ括弧などを、両側(前後)いっぺんに入力(挿入)するマクロ(Ins_Paren().mac、Ins_Paren「」.mac、Ins_Parens.mac)です。

それぞれのマクロの基本的な動作は以下の通りです。
Ins_Paren().mac: _jpn.txtでは全角の()、_eng.txtでは半角の()を挿入します。 
Ins_Paren「」.mac:_jpn.txtでは全角の「」、_eng.txtでは半角の""を挿入します。 
Ins_Parens.mac:メニュー(『』、「」、〈〉、《》、{}、()、〔〕、[]、【】、“”、"")が出るので、挿入したい括弧を選びます。

※サブ拡張子がついていないテキストファイルでも使えます。その場合は基本的に全角の括弧が挿入されると思ってください。詳しくはSTの秀丸マクロヘルプをご覧ください。
 
また、範囲選択の有無でマクロの動作が違います。
  • 単語(またはフレーズ)を選択している場合
選択範囲の前後に括弧を挿入し、後ろの括弧の後ろにカーソルを置きます。
例えば、「世界保健機関WHOは、・・・」のWHOを範囲選択して、Ins_Paren().macを実行すると、「世界保健機関(WHO)は、・・・」と一発で前後の括弧を挿入することができます。
  • 選択していない場合
カーソル位置に両側の括弧を挿入し、括弧の内側にカーソルを置きます。

これらのマクロは、地味だけどとても便利です。特に、「マクロ実行後のカーソル位置」がよく考えられていると思います。ぜひ一度、試してみてください。私は丸括弧を使うことが多いので、Ins_Paren().mac はショートカットキーを割り当てて使っています。

2013年6月28日金曜日

秀丸マクロ:最後に編集した位置へコピーするマクロ

今回紹介するSimplyTerms(ST)同梱マクロは、置換した語句などを簡単にコピー&ペーストする「Copy_LST」です。

訳文を入力するときに、一括置換した用語を見ながらキーボードから入力し直すと、入力のための手間暇もかかるし、入力ミスや誤変換をする可能性もあります。このマクロを使えば、一括置換した用語や「AddTerm」マクロで置換した用語を簡単に訳文に貼り込むことができるので、手間暇は減り、入力ミスや誤変換も減らすことができます。

マクロの動作

  • 単語(またはフレーズ)を選択している場合
選択した範囲を、最後に編集した位置に貼り込みます。(toやandなどのいくつかの前置詞や接続詞、句読点を選択範囲した場合は、「から」「と」などと変換されて入力されます。詳細は後述)
  • 範囲選択していない場合
カーソル位置が最終編集位置とは異なる場合は、そのカーソル前後のスペースやテン、カンマ、改行、@などで挟まれた部分を、最後に編集した位置に貼り込みます。
カーソル位置が最終編集位置のママの場合は、現在編集中のテキストファイルのサブ拡張子が「_eng」の場合、「, 」(カンマ+半角スペース)を挿入し、それ以外のファイルの場合は、「の」を挿入します。

※秀丸で「最後に編集した位置」を一目見てわかるようにするには、メニューの[その他]→[ファイルタイプ別の設定]→[デザイン]→[表示]で「最後に編集したところを表示」にチェックを入れます。「Copy_LST」マクロを使う前に設定を確認してください。



では、このマクロを下の文章の英日翻訳で試しに使ってみましょう。Wikipediaの「Cresol」のページの一部です(http://en.wikipedia.org/wiki/Cresol)。

---------
In its chemical structure, a molecule of cresol has a methyl group substituted onto the ring of phenol. There are three forms (isomers) of cresol: ortho-cresol (o-cresol), meta-cresol (m-cresol), and para-cresol (p-cresol). These forms occur separately or as a mixture.
---------

テクニカルタームを一括置換したものが、下の文章です。

---------
In its chemical structure, a molecule of クレゾール has a メチル基 substituted onto the ring of フェノール. There are three forms (異性体) of クレゾール: ortho-クレゾール (o-クレゾール), meta-クレゾール (m-クレゾール), and para-クレゾール (p-クレゾール). These forms occur separately or as a mixture.
---------

訳文を作っていきます。下の文章は、一文目を訳し終わったところです。
(↓この文章をコピーして「クレゾール_jpn.txt」などの名前でテキストファイルを作ってから、マクロを試してみてください。)

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クレゾール分子は、フェノールの環上の水素の一つがメチル基に置換された構造をしています。

There are three forms (異性体) of クレゾール: ortho-クレゾール (o-クレゾール), meta-クレゾール (m-クレゾール), and para-クレゾール (p-クレゾール). These forms occur separately or as a mixture.
---------

一文目に引き続き、二文目を「クレゾールには、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、と三つの異なる形(異性体)があります。」と入力したいと思います。

まず、一文目の最後の「。」のあとに「最後に編集した位置」マークがあることを確かめます。


(他の所に「最後に編集した位置」マークある場合、この一文目の最後の「。」のあとにスペースを入力して、バックスペースで消せば、そこが「最後に編集した位置」になります。)←この括弧内の動作をマクロにしたものが、後述の「MoveEditPoint2CurCursor」マクロ。

そして、英文の「There are three forms (異性体) of クレゾール:」の「クレゾール」を範囲選択し、「Copy_LST」マクロを実行します。

---------
クレゾール分子は、フェノールの環上の水素の一つがメチル基に置換された構造をしています。クレゾール

There are three forms (異性体) of クレゾール: ortho-クレゾール (o-クレゾール), meta-クレゾール (m-クレゾール), and para-クレゾール (p-クレゾール). These forms occur separately or as a mixture.
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クレゾール」が一瞬でコピー&ペーストされました。カーソルは、いまコピー&ペーストされた「クレゾール」のあとにあるので、そのまま「には、」とキーボードから入力します。そして今度は「o-クレゾール」を範囲選択し、「Copy_LST」マクロを実行すると、また一瞬で「o-クレゾール」がコピー&ペーストされました。このように、キーボードからの入力と、すでに置換してある用語のコピー&ペーストを繰り返すと、二文目の入力が終わります。

---------
クレゾール分子は、フェノールの環上の水素の一つがメチル基に置換された構造をしています。クレゾールには、o-クレゾールm-クレゾールp-クレゾール、と三つの異なる形(異性体)があります。

There are three forms (異性体) of クレゾール: ortho-クレゾール (o-クレゾール), meta-クレゾール (m-クレゾール), and para-クレゾール (p-クレゾール). These forms occur separately or as a mixture.
---------

今回は、範囲選択をしてから「Copy_LST」マクロを実行しましたが、範囲選択しない場合は次のような動作をします。
  • カーソル位置が最終編集位置とは異なる場合
そのときカーソルがある前後の、スペースやテン、カンマ、改行、括弧、@などで挟まれた部分がコピー&ペーストされます。今回の例の場合、最初の「クレゾール」のときに範囲選択せずに「クレゾール」の「レゾー」あたりにカーソルをおいて「Copy_LST」マクロを実行すると、「クレゾール」だけがコピー&ペーストされますが、二箇所目の「o-クレゾール」のときに範囲選択せずに「レゾー」あたりにカーソルをおいて「Copy_LST」マクロを実行すると、「(o-クレゾール)」がコピー&ペーストされます。
 ※日英翻訳の場合、ST(または「AddTerm」マクロ)で置換した英単語の前後にはスペースが挿入されているはずなので、基本的に英単語のみがコピー&ペーストされます。

  • カーソル位置が最終編集位置のままの場合
現在編集中のテキストファイルのサブ拡張子が「_eng」の場合、「, 」(カンマ+半角スペース)を挿入し、それ以外のファイルの場合は、「の」を挿入します。


範囲選択してから「Copy_LST」マクロを実行する場合、以下の左側の語と記号は右側のように変換されてからペーストされます。
to → から
or → や
and → と
at → における
. → 。
, → 、
。 → . (ピリオド+半角スペース)
、 → , (カンマ+半角スペース)

(このように変換されて欲しくないときは、「Copy_LST.mac」の104行目から113行目を書き換えます。)

このように、このマクロを使うと、すでにある語句を簡単にコピー&ペーストすることができますので、翻訳のみならず、原稿やブログを書くときにも使えます。私はこのマクロをマウスの親指から二番目に近いボタンに割り当てて使っています(一番近いところには、「辞書引きをするマクロ(Dic_DDJamming.mac)」)。

******************
この「Copy_LST」マクロを使うときに一緒に使うと便利なのが、上でちょっと触れた「MoveEditPoint2CurCursor」マクロです。
改行の直前でマクロを実行すると、そこが「最後に編集した位置」になります。
(スペースを入力して、それをバックスペースで消しています。)
文の途中など、改行の直前ではないところでこのマクロを実行すると、改行をしてから、その改行の直前が「最後に編集した位置」になります。

この「MoveEditPoint2CurCursor」マクロにも入力しやすい位置のショートカットを割り当てておくと便利です。

2013年6月21日金曜日

秀丸マクロ:用語統一(一括置換&用語集生成)マクロ

SimplyTerms(ST)に同梱されているマクロの中で、次に紹介するのは用語統一用のマクロ、「AddTerm」です。

このマクロを使うと、秀丸標準の[置換]機能よりも簡単に「(一括)置換」ができ、それと同時に、置換した原語と訳語をセットにした用語集を(ほとんど自動的に)作っていくことができます。

基本的な使い方は、
(訳語を訳文に入力→)訳語をクリップボードにコピー→原語を範囲選択→マクロ実行→(用語集に原語と訳語のセットが自動的に登録される)→マクロ実行
ですが、これだけではわかりづらいと思うので、「SimplyTermsを使った翻訳(その1)~(その5)」で使った「1,2-Dichloroethane.docx」の翻訳(英日翻訳)で実際に試してみましょう。

下の点線と点線の間をコピーして、「1,2-Dichloroethane_jpn.txt」という名前のテキストファイルを秀丸で作ってください。(もとの原稿にサブ拡張子をつけて、テキスト抽出して、サブ拡張子を変更して、英日翻訳をするためのテキストファイルが準備できた状態です。)

サブ拡張子は常にターゲット言語にしておいてください。今回のマクロでは、このサブ拡張子も関係してきます。

------
[[BD-1]]
1,2-Dichloroethane
[[BD-2]]
The chemical compound 1,2-dichloroethane (or DCA) commonly known by its old name of ethylene dichloride (EDC), is a chlorinated hydrocarbon, mainly used to produce vinyl chloride monomer (VCM, chloroethene), the major precursor for PVC production. It is a colourless liquid with a chloroform-like odour. 1,2-Dichloroethane is also used generally as an intermediate for other organic chemical compounds and as a solvent. It forms azeotropes with many other solvents, including water (b.p. 70.5 C) and other chlorocarbons.[1]
[[BD-3]]
Safety
[[BD-4]]
1,2-Dichloroethane is toxic (especially by inhalation due to its high vapour pressure), highly flammable,[4] and carcinogenic. Its high solubility and 50-year half-life in anoxic aquifers make it a perennial pollutant and health risk that is very expensive to treat conventionally, requiring a method of bioremediation.[5] While the chemical is banned from use by U.S. manufacturers,[6] a case was reported in 2009 of molded plastic consumer products (toys and holiday decorations) from China that released 1,2-dichloroethane into homes at levels high enough to produce cancer risk.[7] Substitutes are recommended and will vary according to application. Dioxolane and toluene are possible substitutes as solvents. Dichloroethane is unstable in the presence of aluminium metal and, when moist, with zinc and iron.
------

では、始めましょう。

※どのように翻訳作業を進めるか、例えば原文の上側に訳文を書いていく、下側に書いていく、原文訳文と交互に書いていくなど、やり方はそれぞれだと思うので、これは一つの例です。

ざっと内容に目を通し、ひとまず、最初の段落(小見出し)を訳しました。

------
[[BD-1]]
1,2-ジクロロエタン
[[BD-2]]
The chemical compound 1,2-dichloroethane (or DCA) commonly known by its old name of ethylene dichloride (EDC), is a chlorinated hydrocarbon, mainly used to produce vinyl chloride monomer (VCM, chloroethene), the major precursor for PVC production. It is a colourless liquid with a chloroform-like odour. 1,2-Dichloroethane is also used generally as an intermediate for other organic chemical compounds and as a solvent. It forms azeotropes with many other solvents, including water (b.p. 70.5 C) and other chlorocarbons.[1]
[[BD-3]]
Safety
[[BD-4]]
1,2-Dichloroethane is toxic (especially by inhalation due to its high vapour pressure), highly flammable,[4] and carcinogenic. Its high solubility and 50-year half-life in anoxic aquifers make it a perennial pollutant and health risk that is very expensive to treat conventionally, requiring a method of bioremediation.[5] While the chemical is banned from use by U.S. manufacturers,[6] a case was reported in 2009 of molded plastic consumer products (toys and holiday decorations) from China that released 1,2-dichloroethane into homes at levels high enough to produce cancer risk.[7] Substitutes are recommended and will vary according to application. Dioxolane and toluene are possible substitutes as solvents. Dichloroethane is unstable in the presence of aluminium metal and, when moist, with zinc and iron.
------

次の段落の最初の方にまた「dichloroethane」を見つけました。この後も何度も出てくるようです。これを一括置換しましょう。
まず「ジクロロエタン」(訳語)を範囲選択し、コピーします(これでクリップボードに「ジクロロエタン」(訳語)がコピーされました)。
次に、「dichloroethane」(原語)を範囲選択します。
そして(範囲選択したままの状態で)、「AddTerm」マクロを実行します。

すると、自動で新しい秀丸ファイルが開き、一行目に
dichloroethane    ジクロロエタン
と入力されました。そのままの状態で、もう一度「AddTerm」マクロを実行します。

翻訳をしていた「1,2-Dichloroethane_jpn.txt」のファイルに自動的に戻り、[置換の確認]という小さいウィンドウが現れ、dichloroethaneとDichloroethaneがハイライトされています。(大文字と小文字は区別されません。)

今回はそのまま全部置換しても大丈夫なので、[一気]をクリックします。すると、下のように、すべて置換されました。

------
[[BD-1]]
1,2-ジクロロエタン
[[BD-2]]
The chemical compound 1,2-ジクロロエタン (or DCA) commonly known by its old name of ethylene dichloride (EDC), is a chlorinated hydrocarbon, mainly used to produce vinyl chloride monomer (VCM, chloroethene), the major precursor for PVC production. It is a colourless liquid with a chloroform-like odour. 1,2-ジクロロエタン is also used generally as an intermediate for other organic chemical compounds and as a solvent. It forms azeotropes with many other solvents, including water (b.p. 70.5 C) and other chlorocarbons.[1]
[[BD-3]]
Safety
[[BD-4]]
1,2-ジクロロエタン is toxic (especially by inhalation due to its high vapour pressure), highly flammable,[4] and carcinogenic. Its high solubility and 50-year half-life in anoxic aquifers make it a perennial pollutant and health risk that is very expensive to treat conventionally, requiring a method of bioremediation.[5] While the chemical is banned from use by U.S. manufacturers,[6] a case was reported in 2009 of molded plastic consumer products (toys and holiday decorations) from China that released 1,2-ジクロロエタン into homes at levels high enough to produce cancer risk.[7] Substitutes are recommended and will vary according to application. Dioxolane and toluene are possible substitutes as solvents. ジクロロエタン is unstable in the presence of aluminium metal and, when moist, with zinc and iron.
------

これが、このマクロの基本的な動きです。

先ほど自動でできた秀丸ファイルを見てみると、ファイル名は「1,2-Dichloroethane_trm.txt」(「元のファイル名_trm.txt」)となっています。サブ拡張子が「_trm」で「英語(tab)日本語」という形式、つまりSTの用語集形式になっていますので、次回似たような案件を依頼されたときに用語集として使えます。

次の単語をまた「AddTerm」で置換すると、今できた「1,2-Dichloroethane_trm.txt」の用語集に追加されます。実際に試してみましょう。

「compound」を「化合物」と置換してみます。
------
[[BD-1]]
1,2-ジクロロエタン
[[BD-2]]
化合物

The chemical compound 1,2-ジクロロエタン (or DCA) commonly known by its old name of ethylene dichloride (EDC), is a chlorinated hydrocarbon, mainly used to produce vinyl chloride monomer (VCM, chloroethene), the major precursor for PVC production. It is a colourless liquid with a chloroform-like odour. 1,2-ジクロロエタン is also used generally as an intermediate for other organic chemical compounds and as a solvent. It forms azeotropes with many other solvents, including water (b.p. 70.5 C) and other chlorocarbons.[1]
[[BD-3]]
Safety
[[BD-4]]
1,2-ジクロロエタン is toxic (especially by inhalation due to its high vapour pressure), highly flammable,[4] and carcinogenic. Its high solubility and 50-year half-life in anoxic aquifers make it a perennial pollutant and health risk that is very expensive to treat conventionally, requiring a method of bioremediation.[5] While the chemical is banned from use by U.S. manufacturers,[6] a case was reported in 2009 of molded plastic consumer products (toys and holiday decorations) from China that released 1,2-ジクロロエタン into homes at levels high enough to produce cancer risk.[7] Substitutes are recommended and will vary according to application. Dioxolane and toluene are possible substitutes as solvents. ジクロロエタン is unstable in the presence of aluminium metal and, when moist, with zinc and iron.
------

まず「化合物」と入力し、これをコピーし、「compound」を範囲選択し、「AddTerm」を実行します。
先ほどの「1,2-Dichloroethane_trm.txt」の1行目に、「compound」と「化合物」のセットが追加され、先ほどあった「dichloroethane」と「ジクロロエタン」のセットは2行目に移動しました。
compound    化合物
dichloroethane    ジクロロエタン
もう一度「AddTerm」マクロを実行すると、また、[置換の確認]という小さいウィンドウが現れ、どのように置換するか聞いてきますので、自分の望む置換方法を選びます。
[一気]で置換した結果は、下のようになります。

------
[[BD-1]]
1,2-ジクロロエタン
[[BD-2]]
化合物

The chemical 化合物 1,2-ジクロロエタン (or DCA) commonly known by its old name of ethylene dichloride (EDC), is a chlorinated hydrocarbon, mainly used to produce vinyl chloride monomer (VCM, chloroethene), the major precursor for PVC production. It is a colourless liquid with a chloroform-like odour. 1,2-ジクロロエタン is also used generally as an intermediate for other organic chemical 化合物@@pl and as a solvent. It forms azeotropes with many other solvents, including water (b.p. 70.5 C) and other chlorocarbons.[1]
[[BD-3]]
Safety
[[BD-4]]
1,2-ジクロロエタン is toxic (especially by inhalation due to its high vapour pressure), highly flammable,[4] and carcinogenic. Its high solubility and 50-year half-life in anoxic aquifers make it a perennial pollutant and health risk that is very expensive to treat conventionally, requiring a method of bioremediation.[5] While the chemical is banned from use by U.S. manufacturers,[6] a case was reported in 2009 of molded plastic consumer products (toys and holiday decorations) from China that released 1,2-ジクロロエタン into homes at levels high enough to produce cancer risk.[7] Substitutes are recommended and will vary according to application. Dioxolane and toluene are possible substitutes as solvents. ジクロロエタン is unstable in the presence of aluminium metal and, when moist, with zinc and iron.
------

※STで用語集を適用したときと同じように、英語が複数形であった箇所には、訳語(日本語)のあとに「@@pl」が自動的につけられます。

これがこのマクロの基本的な動きです。頻繁に使うものなので、入力しやすいショートカットキーを割り当てるといいと思います(マウスを右手で使うなら、左手で簡単に入力できるところがおすすめです)。

[置換の確認]ウィンドウの各項目は、以下のような動きをします。(各項目は、マウスでクリックするだけではなく、括弧に入ったアルファベットを入力することでも選べます。このアルファベットの入力の方が断然早いと思います。)
置換(R)・・・いま選択されている(反転している)箇所のみを置換します。
置換+次(C)・・・いま選択されている(反転している)箇所を置換したあと、次の対象箇所に移動します。
一気(A)・・・対象となる箇所(ハイライトされている箇所)すべてを置換します。
上候補(P)・・・いま選択されている(反転している)箇所を置換せずに、前(上)の対象箇所に移動します。
下候補(N)・・・いま選択されている(反転している)箇所を置換せずに、次(下)の対象箇所に移動します。
キャンセル・・・何も置換せずに終わります。

このマクロを使うときに注意する点は、
  • サブ拡張子を必ずターゲット言語にしておく(英日翻訳の場合は「_jpn」)。このマクロは、自動的に生成される用語集が「英語(tab)日本語」の順番になるように、サブ拡張子を参照して判断しているので、サブ拡張子を間違うと、1列目(英語)と2列目(日本語)が逆になった用語集ができてしまいます。
  • 「AddTerm」マクロを一度実行し用語集ファイルに移動したときに、(英語の複数形など)必要に応じて用語を修正する。英語が複数形だった場合、マクロ実行直後はその複数形(と思われる)部分が範囲選択されている状態なので、削除したり、書き換えたり、等、簡単に修正ができます。
何度か使って慣れてきたら、STの[ヘルプ]→[同梱秀丸マクロのヘルプ]→[個別マクロの操作方法]→[用語統一]をぜひ読んで下さい。


***************************************
実は私はこのマクロをそのまま使うのではなく、一部書き換えて使っています。こういうふうにも使えるよ、ということで、参考に書いておきます。

「AddTerm」マクロの場合、最初に訳語をクリップボードにコピーするために、訳語を訳文中にあらかじめ入力しなければなりません。つまり、次のような流れになります。
(訳語を訳文に入力→)訳語をクリップボードにコピー→原語を範囲選択→マクロ実行→(用語集に原語と訳語のセットが自動的に登録される→)マクロ実行
これを、私の翻訳の進め方に合うように、
原語を範囲選択→マクロ実行→訳語をウィンドウに入力→OKをクリック→(用語集に原語と訳語のセットが自動的に登録される→)マクロ実行
という流れになるようにマクロを変更しました。変更した箇所は次の通りです。

AddTerm.mac(抽出単語を追加するマクロ Ver 3.00)の232行目から253行目
-------------------------------------------------------------------------
    //置換元単語を$$originalwordにコピー
    $$originalword = gettext(seltopx, seltopy, selendx, selendy);
    call ReplaceStr $$originalword, " ", " ";
    $$originalword = $$return;

    //フレーズが登録されているファイルをオープンし、最初に移動。
    call Another_File $PhrsFile;
    escape;
    gofiletop;

    //以下の形式で登録
    //   英語    日本語(リターン)
    if ($TransDir == "EtoJ"){
        insert $$originalword + "\t" +"\n";
        left;
        poppaste;
    } else {
        insert "\t" + $$originalword + "\n";
        gofiletop;
        poppaste ;
    }
    save;
-------------------------------------------------------------------------

-------------------------------------------------------------------------
    //置換元単語を$$originalwordにコピー
    $$originalword = gettext(seltopx, seltopy, selendx, selendy);
    call ReplaceStr $$originalword, " ", " ";
    $$originalword = $$return;
//変更!訳語を入力する
    $jpnword = input("訳語を入力してください");


    //フレーズが登録されているファイルをオープンし、最初に移動。
    call Another_File $PhrsFile;
    escape;
    gofiletop;

    //以下の形式で登録
    //   英語    日本語(リターン)
    if ($TransDir == "EtoJ"){
        insert $$originalword + "\t" +"\n";
        left;
//変更!    poppaste;
        insert $jpnword;


    } else {
        insert "\t" + $$originalword + "\n";
        gofiletop;
//変更!    poppaste ;
        insert $jpnword;

    }
    save;
-------------------------------------------------------------------------